佐藤優, 橋爪大三郎『あぶない一神教』(小学館)2015/10/01
- 社会学者の橋爪大三郎との宗教をテーマにした対談本。
- 『SAPIO』に連載の「ふしぎなイスラム教」(2015年〜2015年10月)を加筆・修正し収録。
- 本書はキリスト教の成り立ちについて解説した、橋爪大三郎氏と大澤真幸氏のふしぎなキリスト教 (講談社現代新書)の補完的な位置付けであり、何冊か出ている神学関係の著書とは趣が異なる。
- 作者: 佐藤優,橋爪大三郎
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2015/10/01
- メディア: 新書
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引用・ 参考文献
論壇や文壇で活躍している人で、神学的基礎訓練を受けている人は少ないので、神学的思考を読書界に伝える仕事には精力的に取り組んでいる。『宗教改革の物語』(角川書店)、『神学の思考』(平凡社)、『神学部とは何か』(新教出版社)、『同志社大学神学部』(光文社)がこの分野での私の主要な仕事だ。
宗教改革の物語 近代、民族、国家の起源 (ノンフィクション単行本)
- 作者: 佐藤優
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
- 発売日: 2014/04/25
- メディア: 単行本
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同志社大学神学部?私はいかに学び、考え、議論したか? (光文社新書)
- 作者: 佐藤優
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2015/11/20
- メディア: Kindle版
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ベストセラーになった橋爪大三郎氏と大澤真幸氏の『ふしぎなキリスト教』(講談社現代新書)は、例外的にキリスト教の本質である救済の問題にまで踏み込んだ構成になっている。この本を読んでから、私は橋爪大三郎氏という傑出した知性に畏敬の念を抱くとともに特別の関心を持つようになった。
- 作者: 橋爪大三郎,大澤真幸
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/05/18
- メディア: 新書
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- 作者: 橋爪大三郎,大澤真幸
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2012/09/28
- メディア: Kindle版
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皇国史観に影響を与えたのが西田幾多郎です。一九三六年に師である西田について『西田哲学の根本問題』という本を書いたキリスト教神学者の滝沢克己はバルト門下生です。
バルトは女性問題のトラブルが多い人でした。自分の奥さんとは、知的な会話を一切行なわなかった。その一方でバルトの自宅には、キルシュバウムという女性秘書も同居していた。バルトを語る上でタブーになっている女性です。
彼女はもともと看護師で、神学的な素質があった。キルシュバウムは最後に脳の病気で入院します。途端に当時手がけていたバルトの主著である『教会教義学』の制作が滞った。『教会教義学』は事実上、バルトとキルシュバウムの共作です。
資本主義と宗教の関係は、一〇〇年も二〇〇年も前からさまざまな人びとが議論してきました。もっとも知られているのは、マックス・ウェーバーの『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』です。
礒崎氏は東京大学を優秀な成績で卒業し、自治省、現在の総務省に入省した。そこまでなら珍しい話ではありません。彼は官僚時代に『分かりやすい公用文の書き方』『分かりやすい法律・条例の書き方』など、公務員向けの手引き書を出版している。地方公務員の水準アップのために丁寧につくられた本です。官僚の出世にはもちろんプラスにはならない。でも礒崎氏は、自分の知識や能力を社会に還元しようという発想を持って%
いま世界中で、恐怖を煽る大衆小説が読まれています。たとえば、人口爆発を食い止めるために遺伝子操作をして世界を救うというテーマの、ダン・ブラウンの『イン・フェルノ』。
また、フランスの作家ウエルベックの『服従』は、フランスにイスラム政権が誕生するという、著者自身と社会の恐怖を反映した物語です。
先日、お笑い芸人の又吉直樹さんの『火花』が芥川賞を獲り、二〇〇万部を超える大ベストセラーになりました。マイノリティとマジョリティの視座が入れ替わり、人間を立体的に描いています。プロットをきちんと踏まえて、人物造形もしっかりしている。古典中の古典といえるスタイルの小説です。
キリスト教神学を修めて、外務省でロシア担当の分析官をつとめる。この経歴は、ただものでない。 どれくらい「ただものでない」か。『国家の罠』をかわきりに、堰を切ったように生み出される著作の数々をみれば、明らかだ。
(以上)