佐藤優『交渉術』(文藝春秋)2009/01
- 「文藝春秋」連載の「インテリジェンス交渉術」(2007年7月号〜2008年12月号)を収録。
- 第70回文藝春秋読者賞を受賞。
- 外交官時代を追想しながら、交渉術の実用書、インテリジェンスの入門書、北方領土交渉の記録として読むことができる。
- 「聖書」「資本論」などを視座に論述する独自のスタイルは、およそ、この時期に構築されたと考えられる。デビュー作『国家の罠』に次ぐ重要著作である。
引用・参考文献
ゲンナは、徹底したエリート主義者で、かつ、ロシア国民は自由の力に耐えられないので、大きな力によって国民を守る必要があるという、ドストエフスキーが『カラマーゾフ兄弟』で描いた大審問官のような発想をしている。
交渉術はユダヤ・キリスト教文化圏の思考様式と表裏一体の関係にある、と私は見ている。
少し衒学的になって恐縮だが、この交渉術の基本は、マルクス『資本論』で展開された価値形態論を応用することが効果的だと考えている。
私は、動物行動学の大家でノーベル医学生理学賞を受賞したコンラート・ローレンツの視座を取り入れることが、交渉能力を強化するために不可欠と考える。
攻撃〈第2〉―悪の自然誌 (1970年) (みすず科学ライブラリー〈16〉)
- 作者: ローレンツ,日高敏隆,久保和彦
- 出版社/メーカー: みすず書房
- 発売日: 1970
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(以上編集中)