池上彰, 佐藤優『新・戦争論 僕らのインテリジェンスの磨き方』(文藝春秋)2014/11/20
- 池上彰との初の対談集。
- 同氏の対談はほかに、同氏との対談本は他に、『大世界史 現代を生きぬく最強の教科書』(文藝春秋、2015年)、『希望の資本論ー私たちは資本主義の限界にどう向き合うか』(朝日新聞出版、2015年)、『新・リーダー論大格差時代のインテリジェンス』(文藝春秋、2016年)がある。
引用・参考文献
今の世界を見回したとき、私の印象は、クラウゼヴィッツの『戦争論』はまだ古くなっていない、というものです。プロイセンの軍人だったクラウゼヴィッツが、ナポレオン以降の近代戦争を初めて体系的に研究し、没後の一八三二年に刊行された、戦争と政治の関わりを包括的に論述している古典的な名著です。そのポイントは「戦争は政治の延長である」というテーゼにありますが、ベルリンの壁崩壊から四半世紀が経ち、戦争と政治の境界線が再びファジーになっています。(佐藤)
- 作者: クラウゼヴィッツ,Karl Von Clausewitz,篠田英雄
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ダライ・ラマは、常務委員会副委員長です。このとき実は、ダライ・ラマは共産主義に憧れるのです。本人が「私は一時共産主義者でした」と言っています。「新生中国はみんな平等なんだ、これはすばらしいと思った」と。
ところが一九五五年春、チベットへ帰る前日に毛沢東が自分の執務室に彼を呼び出します。「最後に、ぐっと身体を近づけ、『あなたの態度はとてもいい。だが、宗教は毒だ。第一に、人口を減少させる。なぜなら僧侶と尼僧は独身でいなくてはならないし、第二に、宗教は物質的進歩を無視するからだ』といった。これを聞いて、わたしは激しい嵐のような感情が顔に出るのを感じ、突然非常なおそれを抱いた。『そうなのですか。あなたは結局ダルマ(法)の破壊者なのですね』わたしは心のなかで怒りをこめて呟いた」(『ダライ・ラマ自伝』山際素男訳、文春文庫、一六三頁)(池上)
- 作者: ダライラマ,The Dalai Lama of Tibet,山際素男
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金日成は、キリスト教の思想と主体思想は基本的に同じものと思っている、ということまで言っています。「全世界の人が平和でむつまじく暮らすことを願うキリスト教の精神と、人間の自主的な生き方を主張するわたしの思想とは、矛盾しないものとわたしは考えている」(『金日成回顧録──世紀とともに 1』八二〜八三頁)(佐藤)
金日成回顧録―世紀とともに〈1 1912.4‐1930.5〉
- 作者: 金日成,金日成回顧録翻訳出版委員会
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ふるさとの韓国で、その歴史について勉強したこともなかった韓国で、こんなことが行われていたんだ、と聞いて、自分たちの心の祖国を大事にしたいという、ナショナリズム論でいうところの「遠隔地(遠距離)ナショナリズム」が働いている。ナショナリズム論のベネディクト・アンダーソンは、こう言っています。
- 作者: ベネディクトアンダーソン,Benedict Anderson,糟谷啓介,イヨンスク,増田久美子,高地薫,鈴木俊弘
- 出版社/メーカー: 作品社
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(以下編集中)