佐藤優, 宮家邦彦『世界史の大転換』(PHP研究所)2016/06/16
- 元外交官の宮家邦彦との対談集。
参考文献
私が政治的に民族を論じる場合、アーネスト・ゲルナーの『民族とナショナリズム』(岩波書店)やベネディクト・アンダーソンの『想像の共同体』(リブロポート)で展開されているように、民族を近代以後の現象として理解することを大前提としています。
- 作者: アーネストゲルナー,加藤節,Ernest Gellner
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2000/12/22
- メディア: 単行本
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想像の共同体―ナショナリズムの起源と流行 (ネットワークの社会科学シリーズ)
- 作者: ベネディクトアンダーソン,Benedict Anderson,白石さや,白石隆
- 出版社/メーカー: NTT出版
- 発売日: 1997/05
- メディア: 単行本
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一九八〇年代に入ると、私が『日本の敵』(文春新書)で取り上げたアメリカの伝説的戦略思考家、アンドリュー・マーシャルの「ネットアセスメント(総合戦略評価)」分析などによって、ソ連型計画経済の脆弱性が明らかになり、冷戦終結につながっていく。
フランスの人口学者・歴史学者であるエマニュエル・トッドが『移民の運命』(藤原書店)で指摘していますが、フランスは基本的に同化主義を国家原理に据えています。
怒りで思い出しました。堀川惠子氏の『原爆供養塔』(文藝春秋)が二〇一六年の大宅壮一ノンフィクション賞の受賞作でしたが、彼女に書く動機は何かと聞いたら「怒りです」と答えた。
他の候補作である清武英利氏の『切り捨てSONY』(講談社)も、追い出し(リストラ)部屋の実態を取材した怒りがテーマの作品。
そして小野一光氏の『殺人犯との対話』(文藝春秋)は、「ダークサイド」の怒り。
戦前、文部省が出した『国体の本義』の読解をまとめた本(『日本国家の神髄』扶桑社)を書いたのは、亡くなった住田良能さん(元産経新聞社長)から、「靖国神社に祀られている英霊を顕彰するのは当然だが、あのひどい負け戦を美化することを保守主義と勘違いしている人たちがいる」という趣旨のことを聞いたからです。
(以上)