佐藤優『いま生きる「資本論」』(新潮社)2014/07/31
- 新潮講座「一からわかる『資本論』」第1期(2014年1月〜3月)の講義を収録
- 宇野弘蔵を通じて、マルクスの『資本論』を読み解き、現代の資本主義の問題点を明らかにする内容となっている。
- 第3期の講座についても、『いま生きる階級論』として2015年に刊行されている。
参考・引用書籍
結論を先に言うと、『 論語』( 孔子)、『孫子』、『維摩経』、『法華経』、『旧約聖書』、『新約聖書』、『古事記』、『太平記』、『国家』(プラトン)、『形而上学』(アリストテレス)、『歴史序説』( イブン・ハルドゥーン)、『方法序説』(デカルト)、『モナドロジー(単子論)』(ライプニッツ)、『純粋理性批判』(カント)、『精神現象学』(ヘーゲル)、『論理学研究』(フッサール)、『論理哲学論考』(ヴィトゲンシュタイン)、『存在と時間』( ハイデガー)、『善の研究』(西田幾多郎)などの古典(クラシックス)と認知されているテキストは、危機の時代を読み解き、その解決策を見いだすために、とても役立つ。
- 作者: イブンハルドゥーン,Ibn Khald ̄un,森本公誠
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2001/12/14
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- 作者: デカルト,Ren´e Descartes,谷川多佳子
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1997/07/16
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- 作者: カント,Immanuel Kant,篠田英雄
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1961/08/25
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- 作者: カント,Immanuel Kant,篠田英雄
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1962/07/16
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- 作者: G.W.F.ヘーゲル,Georg Wilhelm Friedrich Hegel,金子武蔵
- 出版社/メーカー: 岩波書店
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- 作者: G.W.F.ヘーゲル,Georg Wilhelm Friedrich Hegel,金子武蔵
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2002/11/08
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- 作者: ウィトゲンシュタイン,野矢茂樹
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2003/08/20
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『資本論』もそのような古典の一冊である。
この死語を聞くと自動的に思い出す人がいるかもしれませんが、新人類世代の旗手は現代思想の世界だと浅田彰さんです。彼の『構造と力』が出たのは一九八三年、私は大学院の一回生でした。『構造と力』を読み、続く『逃走論』も読みました。
柄谷さんは、私が岩波書店から出した『獄中記』について、こういう守勢のコメントをした。「恐ろしく古い知識だけをもとに物事を考えている人だ。完全にポストモダンという者をスルーしている」。これ、正解なんですね。
私が大学生の頃など、起用論文なんてほとんど誰も書いていませんでした。筒井康隆さんに『文学部唯野教授』(1990年)というベストセラ—小説がありますが、あの中に紀要の話が出てきます
みなさんには、もっと古典を読んでほしいと思うんです。
『愚管抄』の中にグローバリゼーションの議論があります。
一〇〇年ぐらい後に出てきた北畠親房という人物が『神皇正統記』を書きます。これはアンチグローバリゼーションで、主張としては「大日本は神の国である。なぜかというと神の国だから」。これは究極のトートロジー、同語反復ですね。でも、それはいいのです。
最近、面白い本を読みました。『「資本論」全三部を読む――代々木「資本論」ゼミナール・講義集』という不破哲三さんの本ですが、これを読んでハッキリしたのは、不破さんは共産党の議長を引退してから『資本論』を初めて本格的に読んだということ(会場笑)。
『資本論』全三部を読む〈第1冊〉代々木『資本論』ゼミナール・講義集
- 作者: 不破哲三
- 出版社/メーカー: 新日本出版社
- 発売日: 2003/05
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共産党の人を全て排除して作ったんです。
しかもドイツ語やフランス語など、とにかく語学ができるという基準で訳を選んでいる。
これを読むと、なぜ共産党が宇野学派を非常に嫌がったかという原因がわかりますよ。
内容は極めて高度な、宇野経済学の検証に関する議論です。
ですから「旅行者の朝食」と言えば、ロシア人の世界では<誰も買わないもの>という意味になります。
私と竹中さんが対談本『国が亡びるということ』を作った際、彼は高校生の頃、マルクス・エンゲルスに大きな刺激を受けて経済哲学を学ぼうと志したのだ、と言っていました。
初期の著作の『研究開発と設備投資の経済学』も、共同研究の『対外不均衡のマクロ分析』もいい本です。
(以下編集中)